2025年7月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
Day6「重ねる」 #文披31題 #小咄 #翼角
あづい、あづいと呻けども、隣からは、そうだな、しか返ってこない。しかしながら相槌が返ってくるようになっただけ真宮鷹臣という少年も成長したのだと、本郷大和は知っている。去年の今時分は非効率だ、必要な人間が行けばいい、そうでなければクーラーボックスを持ってくるべきではなどと呟いて、大和の後ろをつかず離れず歩いていたはずだ。
その後寮に辿り着く寸前に、彼の姉にバイクでドライブに誘われたことも今や懐かしい。そう思いながら暑さに耐えかねて、大和は重いビニール袋に手を突っ込んだ。ひやりとした感覚を堪能しながら適当に掴んだそれは、スイカを模したアイスバーである。
「食べるのか」
「うん、もう暑い、無理」
アスファルトの歩道は長く、落ちる影は濃く、そして前方の景色は熱によって揺らいでいる。ならば許されるだろう、命がかかっていると言っても過言ではない。溶ける前に食べられるのは、この酷暑に買い出しに出た英雄の特権である。パッケージの開かれるバリッという音が小気味よく、棒を掴んでアイスを取り出す様は聖剣を引き抜くに似ている、かも知れない。
茹だった頭のまま真っ赤な先端に齧りつこうとすれば、暑さなどものともしない声が疑問を重ねてくる。
「なんだ、それは」
「……食べたことない?」
汗の滲む目尻に視線を寄せれば、何の術を使っているのやら、汗ひとつない白皙がこくりと頷く。まじか、という気持ちと、だろうな、という納得が脳裏を駆け抜けた。その程度には大和少年は真宮鷹臣という存在を理解していた。
ので、赤と緑の三角形を隣に向かって傾けた。あまりの熱気にスイカは早くも輪郭を揺らがせていて、棒に赤と緑の水気が指にまで伝い始めている。食べる? 誘う声を出したつもりだったが、ひゅっと喉が鳴っただけだった。それもまた蝉時雨に掻き消されていく。
涼しげな顔と声に反して、大和の手首を掴む手は熱かった。アイスに触れないように――大和が本命で差し出したのはこちらだったというのに――器用に、指に絡まる甘い水を舐め掬う舌は、もっともっと熱かった。
悲鳴も蝉たちの大音声に掻き消える。真夏の昼下がり、寮までの道に人影はなく、鷹臣の蛮行は重なった二人の影だけが知っている。
(鷹臣×大和/翼角高校奇譚)
本編おみやまED後軸高校2年生のふたり。いけっ真宮鷹臣!鷹臣のなめる!がんばれ本郷大和!大和のはたく!
全創作でやりたいので翼角にも出てきてもらおうと思いました。
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あづい、あづいと呻けども、隣からは、そうだな、しか返ってこない。しかしながら相槌が返ってくるようになっただけ真宮鷹臣という少年も成長したのだと、本郷大和は知っている。去年の今時分は非効率だ、必要な人間が行けばいい、そうでなければクーラーボックスを持ってくるべきではなどと呟いて、大和の後ろをつかず離れず歩いていたはずだ。
その後寮に辿り着く寸前に、彼の姉にバイクでドライブに誘われたことも今や懐かしい。そう思いながら暑さに耐えかねて、大和は重いビニール袋に手を突っ込んだ。ひやりとした感覚を堪能しながら適当に掴んだそれは、スイカを模したアイスバーである。
「食べるのか」
「うん、もう暑い、無理」
アスファルトの歩道は長く、落ちる影は濃く、そして前方の景色は熱によって揺らいでいる。ならば許されるだろう、命がかかっていると言っても過言ではない。溶ける前に食べられるのは、この酷暑に買い出しに出た英雄の特権である。パッケージの開かれるバリッという音が小気味よく、棒を掴んでアイスを取り出す様は聖剣を引き抜くに似ている、かも知れない。
茹だった頭のまま真っ赤な先端に齧りつこうとすれば、暑さなどものともしない声が疑問を重ねてくる。
「なんだ、それは」
「……食べたことない?」
汗の滲む目尻に視線を寄せれば、何の術を使っているのやら、汗ひとつない白皙がこくりと頷く。まじか、という気持ちと、だろうな、という納得が脳裏を駆け抜けた。その程度には大和少年は真宮鷹臣という存在を理解していた。
ので、赤と緑の三角形を隣に向かって傾けた。あまりの熱気にスイカは早くも輪郭を揺らがせていて、棒に赤と緑の水気が指にまで伝い始めている。食べる? 誘う声を出したつもりだったが、ひゅっと喉が鳴っただけだった。それもまた蝉時雨に掻き消されていく。
涼しげな顔と声に反して、大和の手首を掴む手は熱かった。アイスに触れないように――大和が本命で差し出したのはこちらだったというのに――器用に、指に絡まる甘い水を舐め掬う舌は、もっともっと熱かった。
悲鳴も蝉たちの大音声に掻き消える。真夏の昼下がり、寮までの道に人影はなく、鷹臣の蛮行は重なった二人の影だけが知っている。
(鷹臣×大和/翼角高校奇譚)
本編おみやまED後軸高校2年生のふたり。いけっ真宮鷹臣!鷹臣のなめる!がんばれ本郷大和!大和のはたく!
全創作でやりたいので翼角にも出てきてもらおうと思いました。
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Day5「三日月」 #文披31題 #小咄 #トウジンカグラ
星が瞬いて、靄がかかっている。月は爪を立てたような細さで、夜を照らすほどもない。
すっかり夜闇に慣れた目に、紅蓮の輝きが眩しい。細々とした頼りない夜明かりを集めて、赫灼を封じた刀刃が聳え立っている。
その光に縋るように、ゆるりと影が蠢く。緩慢に身を起こし、するとぱたり、ぱたり、地面に重たく水の落ちる音が響く。ただ追いかけて眺めれば、剥き出しの足を滑り落ちた粘いものがいくつかの染みを河原の石に作っていた。
内腿に指を伸ばす。粘いものを掬って、口の中に運ぶ。舌を刺すような感覚がある。
まっさらになった指で、刀刃の柄を掴んだ。すっかり流れ落ちた赤をひと振りで散らして、刃先を天へと向ける。細い細い月の光に、鋭い切っ先が重なった。濡れた唇がことばもなく、貫かれた月の形に撓った。
(火群/トウジンカグラ)
7月の火群は以下略で、氷雨の誕生日に望まれる天の川の下で行きずりの人間と行為に及んでるのが皮肉というはなし
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星が瞬いて、靄がかかっている。月は爪を立てたような細さで、夜を照らすほどもない。
すっかり夜闇に慣れた目に、紅蓮の輝きが眩しい。細々とした頼りない夜明かりを集めて、赫灼を封じた刀刃が聳え立っている。
その光に縋るように、ゆるりと影が蠢く。緩慢に身を起こし、するとぱたり、ぱたり、地面に重たく水の落ちる音が響く。ただ追いかけて眺めれば、剥き出しの足を滑り落ちた粘いものがいくつかの染みを河原の石に作っていた。
内腿に指を伸ばす。粘いものを掬って、口の中に運ぶ。舌を刺すような感覚がある。
まっさらになった指で、刀刃の柄を掴んだ。すっかり流れ落ちた赤をひと振りで散らして、刃先を天へと向ける。細い細い月の光に、鋭い切っ先が重なった。濡れた唇がことばもなく、貫かれた月の形に撓った。
(火群/トウジンカグラ)
7月の火群は以下略で、氷雨の誕生日に望まれる天の川の下で行きずりの人間と行為に及んでるのが皮肉というはなし
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Day4「口ずさむ」 #文披31題 #小咄 #トウジンカグラ
子守唄だろうか。だろうか、というのもまず、子守唄など聞いたのは随分と昔のことだったし、その記憶の調べと違っていた気がしたからだ。ゆったりと深く染み入るような声がやさしく、眠りに誘うものだと感じたから、子守唄だと思ったのだろう。
だとしたら、目を覚ますのは申し訳ないだろうか。ぼんやりと考えること自体寝起きの証左で、だから瞼を開くか否か逡巡した。逡巡とは思考のことで、益々意識は浮上する。髪の生え際に滲む汗と、しっとりと長着の内側に篭もる湿気た感覚と、それから頭の下の固くもやわらかい感触に気づく。ゆったりとした調べの隙間、かーわいい、と囁く声が鼓膜を掠めていく。
「先生? ……起きちゃいました?」
子どもの頃に聞いた、母ちゃんの真似だったんですけど。ほんの少しの申し訳なさに、ほんの少しの笑いを含んだ声が続く。それが誰の声か理解して、いいやきっと最初から、彼だと気づいていたのだけれど、とにかくその稚気と、滲み出る懐かしさと慈しみに思わず笑みがこぼれた。
寝ているよ、と答えれば、この時が続くのだろうか。門下生たちが来るまであとどれほどかと考えながら、紫燕はゆっくりと唇を開いた。
(紫燕と野分/トウジンカグラ)
しえのわだと思ってるけどしえのわとは明言しないそのギリギリにいたい…ってワケ!
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子守唄だろうか。だろうか、というのもまず、子守唄など聞いたのは随分と昔のことだったし、その記憶の調べと違っていた気がしたからだ。ゆったりと深く染み入るような声がやさしく、眠りに誘うものだと感じたから、子守唄だと思ったのだろう。
だとしたら、目を覚ますのは申し訳ないだろうか。ぼんやりと考えること自体寝起きの証左で、だから瞼を開くか否か逡巡した。逡巡とは思考のことで、益々意識は浮上する。髪の生え際に滲む汗と、しっとりと長着の内側に篭もる湿気た感覚と、それから頭の下の固くもやわらかい感触に気づく。ゆったりとした調べの隙間、かーわいい、と囁く声が鼓膜を掠めていく。
「先生? ……起きちゃいました?」
子どもの頃に聞いた、母ちゃんの真似だったんですけど。ほんの少しの申し訳なさに、ほんの少しの笑いを含んだ声が続く。それが誰の声か理解して、いいやきっと最初から、彼だと気づいていたのだけれど、とにかくその稚気と、滲み出る懐かしさと慈しみに思わず笑みがこぼれた。
寝ているよ、と答えれば、この時が続くのだろうか。門下生たちが来るまであとどれほどかと考えながら、紫燕はゆっくりと唇を開いた。
(紫燕と野分/トウジンカグラ)
しえのわだと思ってるけどしえのわとは明言しないそのギリギリにいたい…ってワケ!
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Day3「鏡」 #文披31題 #小咄 #王女と騎士
この季節は早くに目が覚める。日の出が早いから、寸の足りないカーテンからは白々と朝日が差し込んできて顔にぶつかる。気温も高く、朝日で温められてじんわりと熱くなる。だから時にはぺっとりと汗を掻いて目を覚ますのだ。
今日もそれだと思った。いつもより身体がべたべたして、擦り減って穴が空く寸前の寝間着が貼りついていた。使い込まれて薄く軽いはずのお下がりのシャツが、濡れて重たい。これまた薄い布団に粘ついて、糸を引くような気持ちで身を起こした。足の裏まで汗で濡れているような不快感があって、だから軋む寝台から下りるときに靴は履かなかった。
他の寝台は静かで、きょうだいたちは誰も目覚めていない。もしかするとまだ、先生たちも起きていないかも知れなかった。身を起こせば朝日は思ったよりも薄く、室内は青く濃い影に満ちている。
なので殊更にゆっくりと歩く。素足がぺとりと、木目の床を踏んで微かな音を立てる。外で水でも浴びてこようと、ぺと、ぺとり、寝台の間を縫って歩いて行く。なぞるように視界の隅で影が動いた。
部屋の出入り口に立てかけられた姿見だった。孤児たちに身なりに気をつけるよう促すそれは古ぼけて曇っていたが、だいたい自分の姿形を知るぐらいの役には立つ。今は不要なもので、けれど夜明け前の静けさに蠢くそれはどうしても目に付いた。
青い、目覚め前の時間。そこに映り込む子どもは白けた容姿をしている、はずだった。
青い、目覚め前の時間。そこに濃い黒が貼りついている。
銀の髪に、白い頬に、色の抜けたシャツに、ほっそりした手足にも。ぐっしょりと、滴って、黒が纏わり付いている。
は、と息が漏れた。まだ寝惚けているのだろうか。これでは汗ではなくてまるで。
そう思うと同時にぶわり、ちいさな身体から汗が噴き出す。何が起きているかわからなくて、ただただ恐ろしくて、足音を潜めるのも忘れて走り出した。乾き始めていた黒い足音を反対からなぞるように、新しい足音を上書きして。
やがて水を被るために飛び出した外で、惨劇の残骸に直面した声が鬨の声に似て響く。くすんだ姿見の中で、取り残された赤い残像が笑っていた。
(シーレ/王女と騎士)
初めて自分の本質が成して、自分への疑いに気づいた朝
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この季節は早くに目が覚める。日の出が早いから、寸の足りないカーテンからは白々と朝日が差し込んできて顔にぶつかる。気温も高く、朝日で温められてじんわりと熱くなる。だから時にはぺっとりと汗を掻いて目を覚ますのだ。
今日もそれだと思った。いつもより身体がべたべたして、擦り減って穴が空く寸前の寝間着が貼りついていた。使い込まれて薄く軽いはずのお下がりのシャツが、濡れて重たい。これまた薄い布団に粘ついて、糸を引くような気持ちで身を起こした。足の裏まで汗で濡れているような不快感があって、だから軋む寝台から下りるときに靴は履かなかった。
他の寝台は静かで、きょうだいたちは誰も目覚めていない。もしかするとまだ、先生たちも起きていないかも知れなかった。身を起こせば朝日は思ったよりも薄く、室内は青く濃い影に満ちている。
なので殊更にゆっくりと歩く。素足がぺとりと、木目の床を踏んで微かな音を立てる。外で水でも浴びてこようと、ぺと、ぺとり、寝台の間を縫って歩いて行く。なぞるように視界の隅で影が動いた。
部屋の出入り口に立てかけられた姿見だった。孤児たちに身なりに気をつけるよう促すそれは古ぼけて曇っていたが、だいたい自分の姿形を知るぐらいの役には立つ。今は不要なもので、けれど夜明け前の静けさに蠢くそれはどうしても目に付いた。
青い、目覚め前の時間。そこに映り込む子どもは白けた容姿をしている、はずだった。
青い、目覚め前の時間。そこに濃い黒が貼りついている。
銀の髪に、白い頬に、色の抜けたシャツに、ほっそりした手足にも。ぐっしょりと、滴って、黒が纏わり付いている。
は、と息が漏れた。まだ寝惚けているのだろうか。これでは汗ではなくてまるで。
そう思うと同時にぶわり、ちいさな身体から汗が噴き出す。何が起きているかわからなくて、ただただ恐ろしくて、足音を潜めるのも忘れて走り出した。乾き始めていた黒い足音を反対からなぞるように、新しい足音を上書きして。
やがて水を被るために飛び出した外で、惨劇の残骸に直面した声が鬨の声に似て響く。くすんだ姿見の中で、取り残された赤い残像が笑っていた。
(シーレ/王女と騎士)
初めて自分の本質が成して、自分への疑いに気づいた朝
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Day2「風鈴」 #文披31題 #小咄 #トウジンカグラ
りぃん、りぃー……んと。
澄んだ音色が、天上に細波を打つ。風を孕んで、りぃん、横髪を浚って、りりぃん。御簾をやわくそよがせて、りりぃー……ん。消えてゆく。ここは高く、蝉の声すら届かない。噎せ返るような地の熱も遠く、湿りを帯びた空が白を混ぜた水の色で、ただただ澄んだ音に寄せて返している。
少女は白く細い指で、靡く髪を押さえる。視線を膝へと落とす。
そこにはこの時候とは真逆の、冬の枯れ野が広がっている。
睫毛を伏せて、少女の膝で昏々と眠る子ども。否、否。子どもなどではない、と誰もが嗤うだろう。少女よりも長い手足に背丈で、細身なくせに一部に肉のつき始めた体躯は立派な青年と呼べた。そしてこの瞼を下ろし、旨を静かに上下させて呼吸をするだけの肉体は、眠りなど生温いところに墜ちている。
りぃん、澄んだ音が呼ぶ。眠る子どもには届かない。蝉の声も暑気も遠い天上とは真逆の底に、細波を抱く水色とは真逆の泥濘たる赤い場所に、この子どもは還っている。りぃん、りぃんと。やさしげな硝子の奏でる音だけが、ひとりきりの少女を慰めている。
(瑠璃と火群/トウジンカグラ)
7月の火群は本編開始2ヶ月ほど前の、七宝の民に認識され始めだいたい今の火群になりつつある状態
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りぃん、りぃー……んと。
澄んだ音色が、天上に細波を打つ。風を孕んで、りぃん、横髪を浚って、りりぃん。御簾をやわくそよがせて、りりぃー……ん。消えてゆく。ここは高く、蝉の声すら届かない。噎せ返るような地の熱も遠く、湿りを帯びた空が白を混ぜた水の色で、ただただ澄んだ音に寄せて返している。
少女は白く細い指で、靡く髪を押さえる。視線を膝へと落とす。
そこにはこの時候とは真逆の、冬の枯れ野が広がっている。
睫毛を伏せて、少女の膝で昏々と眠る子ども。否、否。子どもなどではない、と誰もが嗤うだろう。少女よりも長い手足に背丈で、細身なくせに一部に肉のつき始めた体躯は立派な青年と呼べた。そしてこの瞼を下ろし、旨を静かに上下させて呼吸をするだけの肉体は、眠りなど生温いところに墜ちている。
りぃん、澄んだ音が呼ぶ。眠る子どもには届かない。蝉の声も暑気も遠い天上とは真逆の底に、細波を抱く水色とは真逆の泥濘たる赤い場所に、この子どもは還っている。りぃん、りぃんと。やさしげな硝子の奏でる音だけが、ひとりきりの少女を慰めている。
(瑠璃と火群/トウジンカグラ)
7月の火群は本編開始2ヶ月ほど前の、七宝の民に認識され始めだいたい今の火群になりつつある状態
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今年は挑戦してる方を多く見かける気がしたので何も書いてない分せめて掌編ぐらいはチャレンジできないかと奮起したものの、「書いた作品を本にしても投稿サイトに応募してもいい」とは書いているもののそもそも𝕏の企画なのでここに投じる前に建前だけでも𝕏に投じなければならないのでは?と気づいてしまいわたし𝕏を使う気は毛頭ないのよねの葛藤
(ツイート埋め込み処理中...)Twitterで見る
現実の呪詛の隙間に創作が混じるてがろぐ嫌だなと思うのでもうここは全てから切り離して私だけの呪詛置き場にしようかと思うけどスクロールすると先日のハイパーかわいいヤードくんとハイパーかわいい野分が見えるのでHAPPY…
☔誕生日おめでとう👍👍👍👍 #トウジンカグラ
勝手に人の生育歴や親子関係を読み取ってその人となりを推測する悪趣味があるように、自分の幼少時の家庭環境と家族関係と脳みその構造による発達特性が原因なことぐらいはわかるしそれが気のせいなのもわかるけど真実だと受け取る思考は理解してても今更一朝一夕に矯正できるものじゃない過ぎる

ヤード・ブッシャー #リボ #創作HBD
華安暦三七六五年春緑月二十七の日生まれ。
暁国軍准主にして華安統一政府連合軍白軍暁将。本編時23歳。35人の連合軍国将の中でも最年少。
レイヴとファリルを“大哥”“大姐”と呼ぶが血縁関係もなければ義兄弟でもない。2人(特にレイヴ)には目を掛けられているが、ファリルが男性であることには気づいていない。無類の甘いもの好き。
反政府組織“黎明軍”は政府連合軍と対立するものではあるが、黎明軍の本拠地たる暁国おいては両者が水面下で協力し統一政府打倒に動いている。
閉鎖中ページより
レイヴを“大哥”、ファリルを“大姐”と呼んで慕う暁国軍准主。快活な好青年といった風情。こっそりと甘い物好き。六歳年下の従兄弟が鈴国軍にいるらしい。
○関連のある人物○
→レイヴ…黎明軍軍主。“大哥”と呼んで慕う。
→ファリル…黎明軍軍師。“大姐”と呼んで慕う。
→マガス…暁国政府代表。直属の上司。
080827
暁主従間に横たわるもの #小咄
マガスとヤード
暁将、と低く呟いてやれば、ひたすらに動き続けていた手と口がようやく止まった。その様を見、マガスは深く深く溜め息をつく。
暁国政府代表とはいえ、政を一人で行っているわけではない。そもそもこの暁という国は統一戦争以来特殊な均衡のもと成り立っている。こと外交、また軍の編成に関してはレイヴ・アルフォードの意見を重く取り入れている。マガスの一言により、手を伸ばしたままの姿勢で動きを止めている男――暁国軍准主にして華安統一政府連合軍白軍暁将、ヤード・ブッシャーもレイヴとの協議の産物である。
ヤードはまだ二十三歳と若い。最年少の国将ではないだろうか。レイヴが暁国軍准主、ひいては白軍暁将にこの男を推したときは若過ぎると一度は意見を退けた。しかしレイヴは尚も食い下がり、熱意に押されてよくよく人となりを見たところ、言われてみればこれ以上准主に見合う者はいないだろうという結論に達し、現在の役職に納まっている。
本人の性格や思考、人望、戦術的感覚には確かに問題はなかった。それにしても。それにしてもだ。たった一つ予想外に過ぎる要因があった。これだけはどうしても解せないし、可能なら改めて欲しいと切実に思う。マガスは重苦しい気分で口を開く。
「ヤード」
「……は」
常に好青年然とした彼には不似合いな、僅か震える返答。何があったのかと訝るだろう、ヤードのこの姿を見なければ。
潤む空色の目に、微かに戦慄く唇。伸ばされた手はかたかたと震えている。ここまでなら、例えば「ヤード様って素敵よね、あんなにお若いのに准主様だなんて!」「そうそう、凛々しくて」「そうかしら、私はお可愛らしい方だと思うわ。あの少しはにかんだ笑顔がたまらないのよ」などと黄色い声で囃し立てている紫雲中の女性たちが歓喜の声を上げそうなものではある。
「その辺で止めておけ」
「しかしっ……自分は!」
熱のこもった返答にげんなりする。もう耐えられませんとでも言いたげに左右に首を振るヤードの目尻に一瞬光るものが見えた気がしたが気のせいだと思う。思いたい。でなければこちらが泣きたくなる。
「……それで何皿目だ」
低く零せばひのふのみのと真面目に数えだすのだからますます堪らない。マガスは込み上げる何かを抑えきれず両手で顔を覆った。
己の隣に山と積まれた甘味の皿を数え終わったヤードはマガスの様子に気付くこともなく、また真面目に、そしてどこか切なげに答えた。視線は目の前の皿に固定されたままになっている。
「二十……二皿、目、です」
「十分だ、十分過ぎる。頼むからもう止めてくれ」
とろり黒蜜の掛かった団子は質素ながらも上品で、暁が華安に誇る甘味屋“柑李亭”自慢の一品である。ちなみに串一本につき団子は四つ刺さっていて、一皿に串三本がちょこんと乗っている。それが二十二皿。甘党にもほどがある。
嗜好など個人の問題で、本来取り沙汰すようなことではない。しかしヤードのこれはいっそ病気だ。執務室に満ち満ちた甘い匂いにマガスは頭痛を覚えた。ヤードは捨てられた犬のような目で目前の皿とマガスとを見比べている。
「もう一匙分でいい、頼むから暁将としての威厳を持っていてくれ。閉じる
毎日辛いのでまた久々にSkebで自創作頼みたいぜ!!となるもリクエスト文書いたり資料まとめるのが辛いぜ!!のダメの極地となり、結局自分しか自分を救わないから自分でかくぜ!!となるも足が痛くてもうダメなのでダメ
2025年6月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
>2267ここの話は☔️の誕生日の話の前日譚で🌾もそよについて台所仕事習ってたから🌀は構う相手がいなかったし🐦の道場には師範に逆らう気骨のある門下生がいなかったので誰も来なかった。
🌀は里の誰とでも気さくに話せるけど何となく居座るのは道場。
飲み込んだ言葉は「先生も母親には敵いませんか?」。
何となく触れ合ってお互いの感触他者の輪郭を確かめることが楽しい距離感だけど野分はこの後紫燕を引っ張り倒して一緒に並んで転がって静かな雨音と他人の気配にうとうとする紫燕に「かーわいい…」って呟きながらこの人をこの距離で閉じ込めておけるのは自分だけだろうなって静かな優越感に浸りながら紫燕の髪の毛指先でくるくるする。
ところで🐦先生は男女問わず「~くん」て呼ぶタイプ時代感は無視していますファンタジーなので。
#トウジンカグラ
🌀は里の誰とでも気さくに話せるけど何となく居座るのは道場。
飲み込んだ言葉は「先生も母親には敵いませんか?」。
何となく触れ合ってお互いの感触他者の輪郭を確かめることが楽しい距離感だけど野分はこの後紫燕を引っ張り倒して一緒に並んで転がって静かな雨音と他人の気配にうとうとする紫燕に「かーわいい…」って呟きながらこの人をこの距離で閉じ込めておけるのは自分だけだろうなって静かな優越感に浸りながら紫燕の髪の毛指先でくるくるする。
ところで🐦先生は男女問わず「~くん」て呼ぶタイプ時代感は無視していますファンタジーなので。
#トウジンカグラ
アルフォードさんが27でファリルさんが24だったことは多分間違いないのでヤードくんは確か21歳とかでは…さすがに覚えてないが連合軍最年少だったのでは…じゃんけんで軍主決めた国はアルフォードさんとタイぐらいのやつだったはず… #リボ
野分誕生日おめでと~🎉(せこい編集前提非公開投稿) #トウジンカグラ #創作HBD

野分
フジの里で養鶏をする青年。氷雨の乳兄弟であり理解者、しぐれの幼馴染にも当たる。立場と性格から浮きがちな氷雨と里人の間を仲介している。
七宝へ向かう氷雨を気遣いながら送り出し、穂群という男の伴侶を連れて戻ってきた氷雨に驚きつつも迎え入れた。
天敵は雌鳥の鬼丸。毎朝卵をかけた熾烈な争いを繰り広げている。
七宝の外から訪れた紫燕を見つけ、氷雨や実母そよと共に里で暮らせるよう手引きした。紫燕には敬意を払っているが、同時に危うさも察しており頻繁に様子を窺いに紫燕の住まう道場に顔を出している。
あまやどり #小咄
紫燕と野分
火を灯すには明るいが、さりとて書き物をするには暗い。さあさあと囁くような音が帳になって満ちている。
そんな薄暗い道場の中、ただ座して瞑想していた男は静かに目を開いた。
「紫燕先生」
親しみを込めた声が常よりも潜められている。細く開いた戸口から身を滑り込ませて、土間で立ち尽くす影。雨音に混ざる足音で気づいていた通りの人物。
雨音に紛れ込ませるように、紫燕も相手の名前を呼んだ。
「野分くん」
ぽっと光が灯る。
それは錯覚だった。暗がりの中、野分が安堵したように微笑んだ。それだけだった。
野分は静かな気配を取り落とすように、濡れた犬のように、ぶるぶると頭を振る。薄暗がりに雫が散って、鈍く光を撒いていた。彼の家からこの道場まで大した距離ではないが、雨具も装わずにここまで来たらしい。
紫燕は立ち上がる。土間まで歩み寄ると野分はぴゃっと肩を震わせた。眉を下げて数歩後ずさる姿に何を考えているかを察し、紫燕は苦笑する。
「多少濡れたところで構わないよ。土間だし、この時期だから」
「や、でも、紫燕先生がよくても師範がうるさいでしょ」
言った傍から自らの口元を覆い、野分はきょろきょろと辺りを見回した。薄暗い道場には懸案の師範の姿もなければ門下生の影もない。ここで居候をしている紫燕のみだった。
笑いながら手を伸ばし、長着の袖で野分の顔を拭う。癖のある髪から雫が落ちているのが気になって、そちらにも袖を伸ばした。目を見開いて仰け反る野分の肩を押さえ、紫燕は好きに青年を拭っていく。
「師範もしばらくはいらっしゃらないよ。今度の長老方の集まりに準備が要るとかで」
「あ~……それ……」
思い至るところがあったらしい。野分は抵抗も忘れて気まずそうに視線を泳がせた。
十日ばかり先、里の長老たちが集まる席があるという。そのために何かの準備が必要らしく、師範は集まりが終わるまで道場は閉めると決めていた。おかげで門下生たちの習いもなく、居候の紫燕だけが道場を持て余している。元より師範が稽古をつけることはないが、師範代の格とはいえ紫燕一人に道場を任せるつもりはないらしい。
こういった不自由が起きる度、門下生たちは紫燕がいるのだからいいだろうにと口を揃える。秘められたフジの里へ流れてきただけの浪人がそこまで許されるはずはない。ましてや神剣を仰ぐ里で、剣術を学ぶための場なのだから。紫燕自身がそう言って門下生たちを宥めるのが常である。
かく言う眼前の青年こそ、唇を尖らせながら師範と古い格式を非難する者の筆頭である。しかしながら今はその不満を口にすることもなく、濡れた髪を掻きながら溜め息をついていた。
「そういやここもそうでしたね」
「ここも?」
「氷雨んとこと、母ちゃんもバタバタしてるんで」
そのまま野分は上がり框に腰かけ、かと思えばばたりと上体を倒した。紫燕も土間に裸足で下り、框に腰かけた。
里の長老の頂点に立つ青年と、目の前の青年の母。前者が慌ただしいのは当然として、母堂の忙しい理由は、さて。紫燕の小さな疑問を拾い上げたかのように野分が口を開く。
「宴席の台所、母ちゃんが仕切るんで。たぶん長老方より忙しーっすよ」
もう怖いの何の……最後は呟きになって消えていった。
紫燕は得心した。つまり鬼気迫る母に耐えかね、乳兄弟も忙しく、行き着いた先が紫燕のところだったらしい。辟易として家を出る青年の姿を想像し、紫燕は思わず笑みをこぼした。むっとした顔を遮るように前髪を袖で拭い、ついでにちいさく鼻を摘まんでみる。む、という声が漏れた。
「なら仕方ないね。子はいくつになっても母親には敵わないものだから、大人しくしておくしかない」
「ふぇ……っすよ。紫燕先生も……」
手を離す。野分は何かを問いかけようとして、そして止めた。
さあさあと、雨音が満ちている。
紫燕は首を傾け、傍らの青年を覗き込む。青年の瞳に、淡い光が灯っている。
野分が何を言おうとして止めたのか、薄らと察しがつく。際どい話を持ち出しのは紫燕自身だというのに、きゅっと唇を結んで飲み込んでいる。
優しい子なのだ。紫燕の指が野分の頬に滑る。野分は光を灯す瞳を細めて、それから頬に触れる紫燕の手を取った。
「紫燕先生も、暇でしょ」
「暇という訳ではないけれどね。少し持て余しているかな」
「じゃあ、俺と何かしましょ」
何か。適当に繰り返して、それから野分は紫燕の手をぎゅっと握る。紫燕の手の厚さや指の長さ、皮膚の硬さを確かめるように触れながら。
「稽古でもつけようか」
「だーからぁ、俺は氷雨とも穂群とも違うんで、手習い以上の剣術はやりませんて」
「じゃあ、他に何があるかな」
うーん。相変わらず適当に悩む野分の声に、さあさあ、さあさあと、雨の音が重なっていく。こうして無為に二人で過ごすだけでもいい。恐らく野分も同じように考えていることを楽しく思いながら、紫燕は青年の指に指を絡めた。
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野分
フジの里で養鶏をする青年。氷雨の乳兄弟であり理解者、しぐれの幼馴染にも当たる。立場と性格から浮きがちな氷雨と里人の間を仲介している。
七宝へ向かう氷雨を気遣いながら送り出し、穂群という男の伴侶を連れて戻ってきた氷雨に驚きつつも迎え入れた。
天敵は雌鳥の鬼丸。毎朝卵をかけた熾烈な争いを繰り広げている。
七宝の外から訪れた紫燕を見つけ、氷雨や実母そよと共に里で暮らせるよう手引きした。紫燕には敬意を払っているが、同時に危うさも察しており頻繁に様子を窺いに紫燕の住まう道場に顔を出している。
あまやどり #小咄
紫燕と野分
火を灯すには明るいが、さりとて書き物をするには暗い。さあさあと囁くような音が帳になって満ちている。
そんな薄暗い道場の中、ただ座して瞑想していた男は静かに目を開いた。
「紫燕先生」
親しみを込めた声が常よりも潜められている。細く開いた戸口から身を滑り込ませて、土間で立ち尽くす影。雨音に混ざる足音で気づいていた通りの人物。
雨音に紛れ込ませるように、紫燕も相手の名前を呼んだ。
「野分くん」
ぽっと光が灯る。
それは錯覚だった。暗がりの中、野分が安堵したように微笑んだ。それだけだった。
野分は静かな気配を取り落とすように、濡れた犬のように、ぶるぶると頭を振る。薄暗がりに雫が散って、鈍く光を撒いていた。彼の家からこの道場まで大した距離ではないが、雨具も装わずにここまで来たらしい。
紫燕は立ち上がる。土間まで歩み寄ると野分はぴゃっと肩を震わせた。眉を下げて数歩後ずさる姿に何を考えているかを察し、紫燕は苦笑する。
「多少濡れたところで構わないよ。土間だし、この時期だから」
「や、でも、紫燕先生がよくても師範がうるさいでしょ」
言った傍から自らの口元を覆い、野分はきょろきょろと辺りを見回した。薄暗い道場には懸案の師範の姿もなければ門下生の影もない。ここで居候をしている紫燕のみだった。
笑いながら手を伸ばし、長着の袖で野分の顔を拭う。癖のある髪から雫が落ちているのが気になって、そちらにも袖を伸ばした。目を見開いて仰け反る野分の肩を押さえ、紫燕は好きに青年を拭っていく。
「師範もしばらくはいらっしゃらないよ。今度の長老方の集まりに準備が要るとかで」
「あ~……それ……」
思い至るところがあったらしい。野分は抵抗も忘れて気まずそうに視線を泳がせた。
十日ばかり先、里の長老たちが集まる席があるという。そのために何かの準備が必要らしく、師範は集まりが終わるまで道場は閉めると決めていた。おかげで門下生たちの習いもなく、居候の紫燕だけが道場を持て余している。元より師範が稽古をつけることはないが、師範代の格とはいえ紫燕一人に道場を任せるつもりはないらしい。
こういった不自由が起きる度、門下生たちは紫燕がいるのだからいいだろうにと口を揃える。秘められたフジの里へ流れてきただけの浪人がそこまで許されるはずはない。ましてや神剣を仰ぐ里で、剣術を学ぶための場なのだから。紫燕自身がそう言って門下生たちを宥めるのが常である。
かく言う眼前の青年こそ、唇を尖らせながら師範と古い格式を非難する者の筆頭である。しかしながら今はその不満を口にすることもなく、濡れた髪を掻きながら溜め息をついていた。
「そういやここもそうでしたね」
「ここも?」
「氷雨んとこと、母ちゃんもバタバタしてるんで」
そのまま野分は上がり框に腰かけ、かと思えばばたりと上体を倒した。紫燕も土間に裸足で下り、框に腰かけた。
里の長老の頂点に立つ青年と、目の前の青年の母。前者が慌ただしいのは当然として、母堂の忙しい理由は、さて。紫燕の小さな疑問を拾い上げたかのように野分が口を開く。
「宴席の台所、母ちゃんが仕切るんで。たぶん長老方より忙しーっすよ」
もう怖いの何の……最後は呟きになって消えていった。
紫燕は得心した。つまり鬼気迫る母に耐えかね、乳兄弟も忙しく、行き着いた先が紫燕のところだったらしい。辟易として家を出る青年の姿を想像し、紫燕は思わず笑みをこぼした。むっとした顔を遮るように前髪を袖で拭い、ついでにちいさく鼻を摘まんでみる。む、という声が漏れた。
「なら仕方ないね。子はいくつになっても母親には敵わないものだから、大人しくしておくしかない」
「ふぇ……っすよ。紫燕先生も……」
手を離す。野分は何かを問いかけようとして、そして止めた。
さあさあと、雨音が満ちている。
紫燕は首を傾け、傍らの青年を覗き込む。青年の瞳に、淡い光が灯っている。
野分が何を言おうとして止めたのか、薄らと察しがつく。際どい話を持ち出しのは紫燕自身だというのに、きゅっと唇を結んで飲み込んでいる。
優しい子なのだ。紫燕の指が野分の頬に滑る。野分は光を灯す瞳を細めて、それから頬に触れる紫燕の手を取った。
「紫燕先生も、暇でしょ」
「暇という訳ではないけれどね。少し持て余しているかな」
「じゃあ、俺と何かしましょ」
何か。適当に繰り返して、それから野分は紫燕の手をぎゅっと握る。紫燕の手の厚さや指の長さ、皮膚の硬さを確かめるように触れながら。
「稽古でもつけようか」
「だーからぁ、俺は氷雨とも穂群とも違うんで、手習い以上の剣術はやりませんて」
「じゃあ、他に何があるかな」
うーん。相変わらず適当に悩む野分の声に、さあさあ、さあさあと、雨の音が重なっていく。こうして無為に二人で過ごすだけでもいい。恐らく野分も同じように考えていることを楽しく思いながら、紫燕は青年の指に指を絡めた。
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🌀の誕生日何かしたかったけどもう寝るしかないかも知らないが気持ち悪過ぎて寝るのも無理かもしれない
勝手に筋収縮起こって左右の足がランダムにピクピクするのきもちわるいよ~!
心が疲れたしないよりはマシ程度の賞与が入ったのでSkebでルクシレとか頼みたいと思ったけど資料用意するのもしんどしんど無理 #王女と騎士
⭕️ #王女と騎士
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さすがにあまりにねむい
面白かったのか?と問われると面白かったのか?という感じだけど、Beginningから応援してたエグザベくんが生き残ってシャリアを引き留めて結局コモリちゃんとも一緒にいるから…ヨシ! #版権作品
思い出込みで一番好きなのはBBCTなんだけどBBCPEXのOPの勢いと構図とそもそも初手反目し合ってた兄弟妹が一緒にでっかラスボス(ラスボスではない)と対峙する入りが好きすぎて無限に見ている #版権作品
空中落下ラグナ対ハザマと下から斬り上げるジン対上から滑ってくるイザヨイと、何よりμ対νのフレーム単位で絶対に盛り込んでやるぜ乳尻太腿股間をという強い意志を感じるのにえっちくないとこ最高ジャン
空中落下ラグナ対ハザマと下から斬り上げるジン対上から滑ってくるイザヨイと、何よりμ対νのフレーム単位で絶対に盛り込んでやるぜ乳尻太腿股間をという強い意志を感じるのにえっちくないとこ最高ジャン
自分で作ったしょらんせテンプレがそれっぽいと思って☔️🌾分見返そうとしたらサイトに置いてなかった。な、何…!?!?🌊まではやりたいとか呟いた記憶が薄っすらあるので☔️まではやったはず…!? #トウジンカグラ






満天の星々に、淡く白い靄が川となって流れている。
その無数の煌めきを、黄金の瞳が見上げている。伸びやかに育った苗が青くそよぐ時分で、その瞳の色は未だ遠く恋しい輝きだ。この里では見られない、実りの輝き。遠い憧憬。
けれど今は、氷雨の手の届くところにある。衝動のままに手を伸ばす。結った髪がふわりと揺れて振り返る。降り注ぐほどの星夜から濃い藍色へと煌めきを変えて、そして和やかに細められる。かと思えば見えなくなった。近すぎて見えなくなる距離は、惜しむ心と心地良さを連れている。
故に、氷雨も瞳を閉ざす。黄金の煌めきが残る瞼の裏で、触れる感覚と熱だけが鮮やかだ。唇に熱が触れて、かぷかぷと食いついてくる。求められるままに唇を開いて、けれどこちらから先に仕掛けてやった。入り込んで、熱に触れて、絡め取る。溢れるものを飲み下して、ぬるぬると擦り合わせる。んぅ、と幼い声が互いの口の中で広がって、消えていく。そこまでも深くのめり込んでいける、けれどやはり穂の群れのような輝きが見えないのは惜しい。ふぅふぅと間近に触れる呼吸が浅くなったところで、重ねた唇を名残惜しくも解放する。
ぷは、と幼く息を吐く音。続けて微かな笑い声。星明かりの下で、実りの黄金色が細められている。かと思えばぐっと引き倒されて、星々は遠く氷雨の背の向こう側になった。なァ、と囁く声はやわらかな熱を孕んでいて、氷雨の身体とぴったりと重なる。氷雨だけを見つめる輝きはどうしたって美しく、どこまでも愛おしかった。
(氷雨×穂群/トウジンカグラ)
天ノ端氷雨の誕生日。
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