No.2313, No.2312, No.2311, No.2310, No.2309, No.2308, No.23077件]

月曜日はサイコーに限界ででも自分が出るしかない外部との会が3つもあったためメソメソしながら出勤し残機3の抗不安薬に手を出して乗り切り、逆にそこを超えることができてしまったばかりに火曜日はハイになり(躁転では??)しかし酷暑の中屋外作業を強いられた上1人で2人分の仕事をするハメになり、早よ帰ろうと思ったものの次の日朝イチからの研修会資料を誰も用意してないことに気づき1人がガーガーコピー機を回し翌日も誰もzoomの設定ができまいと思って1時間早よ出勤し、休日の昨日は風邪引いてエアコンをつければ寒い切れば暑いの中2週間ぶりに仕事に出ずに済む休日を過ごし、今日も朝から炎天下に晒された上咳くしゃみ鼻水止まらず寒暖差の直撃を受け生理まで始まったのでもう帰りたいですねわたしの6時間半+1時間の超過勤務かえして

労働記録

Day9「ぷかぷか」 #文披31題 #小咄 #王女と騎士

 島が来たと誰もが呟く。年寄りたちは洗濯物が乾かないと物憂げに呟き、子どもたちは影を追って走り出す。
 ルークはただ無感動に、空をゆく島を見上げている。
 あそこから、逃げてきた、訳では断じてない。捨ててきた、訳でもない。見放された、とも異なる。両耳から細い鎖で垂れ下がる黄水晶が、苛むようにちりちりと音を立てる。もうすっかり慣れたそれに、ルークは目を伏せて懐を探った。紙巻き煙草を取り出して口に咥え、爪先を弾くだけで魔術の火花を散らして煙をくゆらせる。立ち上る紫煙の向こうを、遠く高く、空に浮かぶ島がゆっくりと遠ざかってゆく。島は夜ごとの月のように、数日間村の上を周回し、見えなくなるのはまだ少し先になる。
 いつかあそこに戻るのだろう。いつか、を考えるのは無益で、無駄だった。そのときが来るのなら、それはルークが生まれた目的を果たすためで、つまり――実に無駄だった。
 天から地へと視線を転じる。高所に立つ診療所、正確には監督官邸からは村のほとんど全てが一望できる。働き盛りの若い世代が顕著に少ない中、年寄りと子どもたちはただただ暮らしを営んでいる。洗濯物の乾きに憂い、影を追うだけの変化を見せながら。
 こんな日々はあとどれだけ続くのだろうか。そう考えることは恐らく幸福で、不幸だった。己の命の期限とほとんど同義だったので。
 ルークが吐き出した紫煙の向こうに、切り裂くような白銀が現れるのは今しばらく先のことである。
(ルーク/王女と騎士)

倦んだ日常に島と煙がぷかぷか。
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Day8「足跡」 #文披31題 #小咄 #リボ

 風に浚われて消えていく。
 そのことを苛立たしく思いながら、主人の軌跡を追いかける。この苛立ちの源泉が何なのかは知らない。何か、衝動が口を突いて溢れそうになる。
 なのでぐっと、唇を引き結んで耐えた。吹き荒ぶ風には砂が混ざって、ああこの砂さえなければ、そうも思った。あの砂の国で生まれたというだけの繋がりがなければ、きっと彼にここまで翻弄されることもなかっただろうに。
 その日々の終わりも、近いけれど。
 丘陵の向こうに、見慣れた赤銅色が靡いている。舞う砂粒にも掻き消されない鮮やかな色。熱気が青空に抜けていく、その只中に立つ背中。馴染みの肩布を風に遊ばせて堂々と、なのに、どこか、昔よりも細く見える背中。
 名前を呼んだ。風音を真っ直ぐに貫いて、声は主人の下まで届いた。ゆっくりと、赤銅を靡かせたまま振り返る。翡翠の瞳がこちらを認め、細められる。その様が苛立たしくて、胸の奥の方が締めつけられるようで、耐えた分の小言を意味もなく吐き出しながら駆け出した。消える寸前の主の軌跡を足裏でなぞり、深く深く、砂に刻みつけていく。自身で上から書き記してゆく。
(カイとストラル/風紋記)

もうすぐ死別することを理解してる主従。
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Day7「あたらよ」  #文披31題 #小咄 #トウジンカグラ

 満天の星々に、淡く白い靄が川となって流れている。
 その無数の煌めきを、黄金の瞳が見上げている。伸びやかに育った苗が青くそよぐ時分で、その瞳の色は未だ遠く恋しい輝きだ。この里では見られない、実りの輝き。遠い憧憬。
 けれど今は、氷雨の手の届くところにある。衝動のままに手を伸ばす。結った髪がふわりと揺れて振り返る。降り注ぐほどの星夜から濃い藍色へと煌めきを変えて、そして和やかに細められる。かと思えば見えなくなった。近すぎて見えなくなる距離は、惜しむ心と心地良さを連れている。
 故に、氷雨も瞳を閉ざす。黄金の煌めきが残る瞼の裏で、触れる感覚と熱だけが鮮やかだ。唇に熱が触れて、かぷかぷと食いついてくる。求められるままに唇を開いて、けれどこちらから先に仕掛けてやった。入り込んで、熱に触れて、絡め取る。溢れるものを飲み下して、ぬるぬると擦り合わせる。んぅ、と幼い声が互いの口の中で広がって、消えていく。そこまでも深くのめり込んでいける、けれどやはり穂の群れのような輝きが見えないのは惜しい。ふぅふぅと間近に触れる呼吸が浅くなったところで、重ねた唇を名残惜しくも解放する。
 ぷは、と幼く息を吐く音。続けて微かな笑い声。星明かりの下で、実りの黄金色が細められている。かと思えばぐっと引き倒されて、星々は遠く氷雨の背の向こう側になった。なァ、と囁く声はやわらかな熱を孕んでいて、氷雨の身体とぴったりと重なる。氷雨だけを見つめる輝きはどうしたって美しく、どこまでも愛おしかった。
(氷雨×穂群/トウジンカグラ)

天ノ端氷雨の誕生日。
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Day6「重ねる」 #文披31題 #小咄 #翼角

 あづい、あづいと呻けども、隣からは、そうだな、しか返ってこない。しかしながら相槌が返ってくるようになっただけ真宮鷹臣という少年も成長したのだと、本郷大和は知っている。去年の今時分は非効率だ、必要な人間が行けばいい、そうでなければクーラーボックスを持ってくるべきではなどと呟いて、大和の後ろをつかず離れず歩いていたはずだ。
 その後寮に辿り着く寸前に、彼の姉にバイクでドライブに誘わ(ほぼ誘拐さ)れたことも今や懐かしい。そう思いながら暑さに耐えかねて、大和は重いビニール袋に手を突っ込んだ。ひやりとした感覚を堪能しながら適当に掴んだそれは、スイカを模したアイスバーである。
「食べるのか」
「うん、もう暑い、無理」
 アスファルトの歩道は長く、落ちる影は濃く、そして前方の景色は熱によって揺らいでいる。ならば許されるだろう、命がかかっていると言っても過言ではない。溶ける前に食べられるのは、この酷暑に買い出しに出た英雄の特権である。パッケージの開かれるバリッという音が小気味よく、棒を掴んでアイスを取り出す様は聖剣を引き抜くに似ている、かも知れない。
 茹だった頭のまま真っ赤な先端に齧りつこうとすれば、暑さなどものともしない声が疑問を重ねてくる。
「なんだ、それは」
「……食べたことない?」
 汗の滲む目尻に視線を寄せれば、何の術を使っているのやら、汗ひとつない白皙がこくりと頷く。まじか、という気持ちと、だろうな、という納得が脳裏を駆け抜けた。その程度には大和少年は真宮鷹臣という存在を理解していた。
 ので、赤と緑の三角形を隣に向かって傾けた。あまりの熱気にスイカは早くも輪郭を揺らがせていて、棒に赤と緑の水気が指にまで伝い始めている。食べる? 誘う声を出したつもりだったが、ひゅっと喉が鳴っただけだった。それもまた蝉時雨に掻き消されていく。
 涼しげな顔と声に反して、大和の手首を掴む手は熱かった。アイスに触れないように――大和が本命で差し出したのはこちらだったというのに――器用に、指に絡まる甘い水を舐め掬う舌は、もっともっと熱かった。
 悲鳴も蝉たちの大音声に掻き消える。真夏の昼下がり、寮までの道に人影はなく、鷹臣の蛮行は重なった二人の影だけが知っている。
(鷹臣×大和/翼角高校奇譚)

本編おみやまED後軸高校2年生のふたり。いけっ真宮鷹臣!鷹臣のなめる!がんばれ本郷大和!大和のはたく!
全創作でやりたいので翼角にも出てきてもらおうと思いました。

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