No.2351, No.2350, No.2349, No.2348, No.2347, No.2346, No.23457件]

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トウジンカグラ■■■■■
王女と騎士  ■■■■■
翼角     ■■■
風紋記    ■■
じょ     ■
文披全創作でやりたいって言って後半戦開始時点これ。
なおhbsは歴史解釈の二次創作のようなものなので自身の創作からは除外されています。

日記

Day17「空蝉」 #文披31題 #小咄 #じょ

 色とりどり、鮮やかに光。痛いほどの熱を湛えた陽光に晒されて、黒く濃い影が輪郭を描く。
 透鏡の小さな遮光眼鏡で、その幾百ものを光を遮る。あの豊かな色彩を美しく、興味深く、静かに心を弾ませながら眺めて酒を舐めていた頃もあった。しかしながら今は薄黒く透かし見るのが精一杯で、それだって目を背けている。
 随分と低くなった目線を地面に向けて、小さな体躯を益々縮こまらせて、嗚呼、嫌だ嫌だと厭うて日陰へ向かう。近くを見る使い魔と、遠くを見る使い魔が前に後ろに従っている。
 目を伏せて、耳に入る音は聞き流して、一人の方へ、ひとりの方へ。過去とは真逆の在り方をする己は何だろうか。最早誰もかつての畏怖を込めた異名で己を呼びはしない。ただ狩るべき符牒として、魔女、と括られる。その声を恐れて息を潜めている。どうしてだか生きている、まだ。どうして。
 暗がりに向かう足先、俯いた地面に黒々とした影が差す。それは踊るように軽やかで、けれど何よりも濃く暗い影だった。影の持ち主がひとつ動く度に、あんまりにも重い影が引きずられて、まるで涙みたいに飛び散っていく。遮光眼鏡の向こうにその景色を見つける。
 かつての異名には程遠い間の抜けた名で呼ばれて、小さな頭を持ち上げた。随分高い位置にある相手の頭は燃える炎の色彩を宿して虚ろで、爛々とした瞳は底が見えないほどの悲しみに枯れ果てている。嗚呼、嫌だ嫌だ。お互いに、どうしてだかまだ生きている。彼がいるから、まだボクはいるに違いない。幾分か低く落ち着いた、かつての己の声が聞こえた。
(ジル/じょ)

夏の空蝉。
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ネタ

BEASTコミカライズ履修したから拾った日読んでもよくない??ダメ??とりあえず小説BEASTへのモチベーション上がったので次の休みに(読めたら)読むぞ院長先生と敦君の関係は原作コミックスよりしっくりする世界かも知れないでもコミカライズの描写原作小説挿絵との解釈違いがある心がふたつある #版権作品

日記

あ~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!Day11~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あ~~~~~~~~~~~~~~~~~ラングリュちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

よそ様

確かに紅嘉さんがいる時点の来儀さんは紅運さんを失って恐らく生き方も何もかも姚来儀という存在全てが紅運さんによって形作られた「始まった時点で終わっている2人」なのでヘキなことは間違いないんですよねそれはそう仰る通り。美友さんもきっと恐らくそう。
ランサスさんとグリューボントさん→リボンちゃんもそう。
「死んで永遠になる」「あなたが私を作る」の世界、すき。それがハッピーかはまた別のお話…

よそ様

公式サイトすんごい!!こんなの商業作品じゃん!!!!を何度でも上回ってくる天涯比隣と百合さんすごい…制作陣の一覧にウオオオってなるし遂にCast欄があってウワアアアアってなる短編集の頒布情報もうれしいしさり気なく1巻2巻再販のお知らせあっても~っとうれしい人類みんなに手に取って欲しい!!!!ここSNSじゃないのでここでワーッ!!!!人類見て!!!!しても拡散力はゼロだが!!

よそ様

Day16「にわか雨」 #文披31題 #小咄 #翼角

 自分は空――カラだ。空でいい。空であるべき、だった。
 無道を名乗るのであれば。そんな矛盾にはとうに気づいていて、ならばもう旧きだけを縁にした時代錯誤の存在など本当に消えてしまえばいいのだと己に存在を関したのが先の春。たった一人、約束の子どもを守護するためだけに、己は『無道空』だった。
 と、去年を振り返りながらまるいつむじを見下ろす。子どもは資料室の床、無道の足下に無造作にしゃがみ込んで低い声で呟いている。無道の適当な相槌に気づくこともなく、真宮が、俺だって、あいつはいつも、そんなことをずっと垂れ流していた。青少年の真摯な悩みで、愚痴で、もしかすると惚気だった。
 適当な相槌を続けながら、施錠せず閉じただけの扉に視線を向ける。何分あれは何もかも隠さないから、恐らく無道でなくても見えない接近に気づくだろう。当の子どもだけは気づかないのだが。
 その、年齢相応で、ほんの少しで揺らいではその度に強固になってゆく関係を笑う。そんなところにばかり気づいた子どもがむっとした様子で顔を上げて、無遠慮に開け放たれた扉に肩を跳ねさせるまであと少し。目の前で子どもたちの言い合いが始まるまではもうしばらく。
 自分は空だ。そのはずだった。けれど今はもう、荒れては凪ぐ雲模様を見下ろす空のようだとすら思う。その事実にまた可笑しくなって笑うが、扉が開け放たれた音に掻き消され誰にも気づかれることはなかった。
(無道と大和/翼角高校奇譚)

空、くう、から、そら。
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ネタ

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