No.2428

Day31「ノスタルジア」 #文披31題 #小咄

 光が昇り、大地を照らす、焦がす、家路を辿るように沈みゆく。長い光が影を曳く。
 直に夜が来る。風が吹き抜ける。頬を撫でて、前髪を掻き上げる。
 空を見る。長い光の向こうが霞んで、淡い藍の裾が差し込まれる。
 息を吸って、吐いて。想いを込めて、君の名前を紡ぐ。
 君の声を聞く。この名前を呼ぶ声を。虫の声が溢れて流れていく、草葉が歌う。天に星が囁きを乗せていく。
 夜に紛れる、灼けた匂い、噎せ返るほどの命の匂いを吸い込んで。
 この足が進む。この手が掴む。戻りも迷いも忘れて、ただ一心に、君へと帰る。
 君と私という、家路になる。
(/all)

ありがとうございました。
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