Day31「ノスタルジア」 #文披31題 #小咄 開く 光が昇り、大地を照らす、焦がす、家路を辿るように沈みゆく。長い光が影を曳く。 直に夜が来る。風が吹き抜ける。頬を撫でて、前髪を掻き上げる。 空を見る。長い光の向こうが霞んで、淡い藍の裾が差し込まれる。 息を吸って、吐いて。想いを込めて、君の名前を紡ぐ。 君の声を聞く。この名前を呼ぶ声を。虫の声が溢れて流れていく、草葉が歌う。天に星が囁きを乗せていく。 夜に紛れる、灼けた匂い、噎せ返るほどの命の匂いを吸い込んで。 この足が進む。この手が掴む。戻りも迷いも忘れて、ただ一心に、君へと帰る。 君と私という、家路になる。 (/all) ありがとうございました。 閉じる 2025.7.31(Thu) 01:51:03 ネタ
光が昇り、大地を照らす、焦がす、家路を辿るように沈みゆく。長い光が影を曳く。
直に夜が来る。風が吹き抜ける。頬を撫でて、前髪を掻き上げる。
空を見る。長い光の向こうが霞んで、淡い藍の裾が差し込まれる。
息を吸って、吐いて。想いを込めて、君の名前を紡ぐ。
君の声を聞く。この名前を呼ぶ声を。虫の声が溢れて流れていく、草葉が歌う。天に星が囁きを乗せていく。
夜に紛れる、灼けた匂い、噎せ返るほどの命の匂いを吸い込んで。
この足が進む。この手が掴む。戻りも迷いも忘れて、ただ一心に、君へと帰る。
君と私という、家路になる。
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ありがとうございました。
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