No.2302

Day1「まっさら」 #文披31題 #小咄

 手がある、その手が掴む、時に迷う。
 足がある、その足が前に進む、時に戻る。
 鼻腔は時々の香を吸い込んで、記憶と共に焼き付ける。灼ける匂い、噎せ返るほどの命の匂い。
 耳が君の声を聞く、この名前を呼ぶ声を。共に溢れ、あるいは流れる虫の声。風にそよぐ草葉の歌。天に満ちる星の囁き。
 唇が紡ぐ、君の名を、この想いを。息を吸って、吐いて。
 そうしてようやく、私は、私になる。
(/all)

ほとんどの物語がそうであるに違いないけれど、自分の創作の根源は「誰かと・何かと出会って『自分』になる」ものでまっさら人(まっさらんちゅ)多過ぎ問題だなと思いました。
閉じる

ネタ

プライバシーポリシー
当ページでは、cookieを使った以下のアクセス解析サービスを利用しています。
●アクセス解析研究所
このアクセスデータは匿名で収集されているものであり、個人を特定するものではございません。
こうした履歴情報の収集を望まない場合、cookieの受け入れを拒否することが可能です。詳細はご利用のブラウザの設定をご確認ください。
詳しくはサービスのプライバシーポリシーをご覧ください。