>2009ファリル・コードウェル #リボ >1365の右下の人 開く 反政府連合組織「黎明軍」の炊事担当。 黎明軍軍主レイヴ・アルフォードの従兄弟にして腹心。レイヴからの愛称は「ファル」。 年若くして「黎明軍のお母さん」。笑顔で有無を言わさない人。ファリルさんとアルフォードさんはデキていると思われているがそれも笑顔で黙らせる。 本人は自称することも女性扱いを否定することもないが男性。幼い頃から女性として振る舞っている。 そのことから非常に抑圧されており、女性を装って生きる原因となったレイヴ(実際はレイヴの実父と腹違いの兄が原因だが両名とも故人)に鬱屈とした感情と怒りを抱いている。 閉鎖中ページより 赤い前掛けと三角巾を常に身につけた黎明軍の“お母さん”。食事の用意や怪我人の手当ての他、軍師としても立ち回る。やや腹黒い。愛称は“ファル”。レイヴのいとこだが、黎明軍内では恋人同士ではないかとの噂が絶えない。 登場:第一章~・暁は今日も ○関連のある人物○ →レイヴ…従兄弟にして黎明軍軍主。 →ヤード…レイヴとファリルに懐いている暁国准主。>759って書いてるけど別にたぶんデキてはいない。 20080823*リボ「嫌がらせです」 #小咄 綺麗なあの子は戦略兵器(レイヴとファリル) 開く ファリル=コードウェルという人間のことは一応誰よりも解っているつもりだった。ということはつまり、ファリルの自分に対する姿勢は破格の待遇だということで、自分自身それは重々承知しているということもある。 「レイヴ」 ただしファリルは何事につけても常に不服だと思う人間である。極端なことを言ってしまえば生まれたときから何もかも抑圧されながら生きてきている。責任のほんの一端、されど確かに一端を背負う者としてはせめて自分の前でだけは思うとおりに振る舞って欲しいと思う反面、そんなことをされたら恐らく自分の身は破滅するのではないかと本気で思う。結局、ファリルの行動に自分が口を出すことは憚られ、本人がやりたいようにやってもらうしかない。 「レイヴ、レイヴさーん」 だから今、こんな苦痛を負うのも仕方がないのだ。まるで罰のようなそれを大人しく受けるしかない。 「レ・イ・ヴさんってばー」 受けるしかないのだが、限度もある。それはもうある。 背筋を伝うむず痒さというかおぞましさというか、とにかく悪寒めいたものに震える体からなんとか力を抜き、握ったままでちっとも進みやしない筆を置いた。 「なっ…んだ、さっきから」 努めて平静を装いながら振り返る。自分の寝台の上にちゃっかり陣取り、暇そうに足をぶらつかせていたファリルは唇を尖らせた。ただし目で笑っている。 「ちっとも答えてくれないから、聞こえてないのかと思って呼んだんじゃないですかー」 あからさまに嘘だ。分かりやすすぎる。思わず片手で顔を覆った。 ファリル=コードウェルに自分の名前を呼ばれるということが、大砲を撃ち込まれるより堪えることだとは知らなかった。ここ数年聞いていなかった響きの殺傷力の高さを思い知る。 ファリルが名である“レイヴ”でなく、姓の“アルフォード”で呼ぶのは自分が頼んだからだった。ファリル自身はその頼みを聞いて「下らない」と冷笑したものだが、それでも兄が死んでから十年間、概ね姓で呼び続けてくれている。だからこそ“破格の待遇”である。 だがしかし今日、今、このファリルは何を考えているのか。とりあえず自分自身にとってろくでもないことだけは間違いない。 顔を覆っていた手で鈍く頭を襲う痛みを紛らわすように前髪を掻き混ぜて、大きく息を吐く。臨戦態勢である。 「……で、何の用なんだ?」 ファリルは花の綻ぶような笑みを浮かべて、そっと、艶やかに三日月を描く唇を開いた。 「もちろん――」 閉じる 閉じる 2025.4.22(Tue) 01:59:07 メモ
>1365の右下の人
反政府連合組織「黎明軍」の炊事担当。
黎明軍軍主レイヴ・アルフォードの従兄弟にして腹心。レイヴからの愛称は「ファル」。
年若くして「黎明軍のお母さん」。笑顔で有無を言わさない人。ファリルさんとアルフォードさんはデキていると思われているがそれも笑顔で黙らせる。
本人は自称することも女性扱いを否定することもないが男性。幼い頃から女性として振る舞っている。
そのことから非常に抑圧されており、女性を装って生きる原因となったレイヴ(実際はレイヴの実父と腹違いの兄が原因だが両名とも故人)に鬱屈とした感情と怒りを抱いている。
閉鎖中ページより >759って書いてるけど別にたぶんデキてはいない。
20080823*リボ「嫌がらせです」 #小咄
綺麗なあの子は戦略兵器(レイヴとファリル)
ファリル=コードウェルという人間のことは一応誰よりも解っているつもりだった。ということはつまり、ファリルの自分に対する姿勢は破格の待遇だということで、自分自身それは重々承知しているということもある。
「レイヴ」
ただしファリルは何事につけても常に不服だと思う人間である。極端なことを言ってしまえば生まれたときから何もかも抑圧されながら生きてきている。責任のほんの一端、されど確かに一端を背負う者としてはせめて自分の前でだけは思うとおりに振る舞って欲しいと思う反面、そんなことをされたら恐らく自分の身は破滅するのではないかと本気で思う。結局、ファリルの行動に自分が口を出すことは憚られ、本人がやりたいようにやってもらうしかない。
「レイヴ、レイヴさーん」
だから今、こんな苦痛を負うのも仕方がないのだ。まるで罰のようなそれを大人しく受けるしかない。
「レ・イ・ヴさんってばー」
受けるしかないのだが、限度もある。それはもうある。
背筋を伝うむず痒さというかおぞましさというか、とにかく悪寒めいたものに震える体からなんとか力を抜き、握ったままでちっとも進みやしない筆を置いた。
「なっ…んだ、さっきから」
努めて平静を装いながら振り返る。自分の寝台の上にちゃっかり陣取り、暇そうに足をぶらつかせていたファリルは唇を尖らせた。ただし目で笑っている。
「ちっとも答えてくれないから、聞こえてないのかと思って呼んだんじゃないですかー」
あからさまに嘘だ。分かりやすすぎる。思わず片手で顔を覆った。
ファリル=コードウェルに自分の名前を呼ばれるということが、大砲を撃ち込まれるより堪えることだとは知らなかった。ここ数年聞いていなかった響きの殺傷力の高さを思い知る。
ファリルが名である“レイヴ”でなく、姓の“アルフォード”で呼ぶのは自分が頼んだからだった。ファリル自身はその頼みを聞いて「下らない」と冷笑したものだが、それでも兄が死んでから十年間、概ね姓で呼び続けてくれている。だからこそ“破格の待遇”である。
だがしかし今日、今、このファリルは何を考えているのか。とりあえず自分自身にとってろくでもないことだけは間違いない。
顔を覆っていた手で鈍く頭を襲う痛みを紛らわすように前髪を掻き混ぜて、大きく息を吐く。臨戦態勢である。
「……で、何の用なんだ?」
ファリルは花の綻ぶような笑みを浮かべて、そっと、艶やかに三日月を描く唇を開いた。
「もちろん――」
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