No.1056

ル4ことルドルフ4世のことを「歴史上実在したルドルフ・フォン・ハプスブルクが後世のイメージから人格を得た概念の二次創作の二次創作つまり概念ルドルフ4世の三次創作」みたいな拗らせた物言いしてるけどがんばって二次創作までに留めよう=歴史小説として興そうとして挫折したのがこれ #歴史創作 #小咄
 芽吹いた葉が青々と、初夏の風に揺れる頃である。
 ウィーン市街、そして都市の中心たるハプスブルク家の居城――ウィンナーブルクにも爽やかな風は通り抜ける。その城壁の上に、つやつやと陽光にきらめく髪を風に遊ばせる人影があった。
 石壁に座っていることを差し引いてもちいさな影である。まだまだ未発達の華奢な足をぶらぶらと無造作に揺らし、じいと城下の町並みを見つめている。瞳にはちかちかと光を散らして、つぶさに家々を、その間を縫うようにして行き交う人びとを見つめているようであった。
 熱心に、食い入るように視線を奪われている子どもの姿は微笑ましく見えるだろう。けれどそう高さはないとはいえ壁の上、万が一にでも落ちればただでは済むまい。まだ身体に比べて大きく見えるまあるい後ろ頭などいかにも不安定だ。ほとんどの者が見れば悲鳴を上げるか、急ぎ咎め立てる姿である。
 しかしながら、この場に現れた人物はどちらでもなかった。
「ルドルフ」
 まるい頭が振り向く。ついさっきまで町並みを見つめていた大きな瞳が捉えるのは、杖を突きながらゆっくりと、ぎこちなく歩み寄る壮年の男性だった。
 この城で逍遥する不具の人物といえば一人しかいない。鷹の城の王、ハプスブルク家当主アルブレヒト賢公その人である。
 彼は悲鳴を上げることも咎め立てることもせず、また、ルドルフ、と名前を呼ぶ。すると子どもは――ルドルフは弾かれたように壁を飛び降り、アルブレヒトの元へと駆け寄った。勢いのまま飛びつこうとして、けれどちいさな手足はその直前で留まり、きゅうと縮こまってしまう。
 アルブレヒトは困ったように眉尻を下げる。ルドルフはその膝のあたりに視線を注いでいて気づかない。不器用な空白の時間は一瞬で、結局行き場を失った手は杖を持たない方のアルブレヒトの腕に伸びた。
「おとうさん」
 支えるように軽く触れて、やっとまるい瞳がアルブレヒトを見上げる。喜びと不安が混じる表情だと、息子を見つめる父が気づかないわけがない。
「今日は、あるいても? いたくないんですか?」
「うん、今日は調子がいいんだ。でもルドルフが手を引いてくれるとうれしいな」
「……もちろんです!」
 ルドルフの表情がぱっと明るくなる。同時に触れるだけだったちいさな指がしっかりと父親の指に絡んだ。
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ショタルフかわいいね~

日記

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