トウジンカグラ9話更新+覚え書き


 R-18創作BL「トウジンカグラ」9話更新&動揺編開始
 └ムーンライトノベルズ版:64~71話/3,000字程度に分割・台詞で改行あり
 └Pixiv版:自分が一番慣れていて個人的に使い勝手と視認性がいいと思うだけ

 前回の8話は2ヵ月どころか3週間ぐらいで一周年に滑り込みましたが暦の上なら4ヵ月です。この体たらくです。投稿サイトの2ヵ月未更新屈辱を回避するため冒頭3,000文字部分は既に更新済みでしたムーンライトノベルズ。前々回の記事で申し上げたところから仕事の地獄が終わらないのと内容的にも様々な要因でこの様と相成りました。お待ち下さった方におかれましては誠に申し訳ございませんでした。なお謎の製本作業は謎のままです。なんとこのブログを打つのに時間をかけているうちに別件の製本作業が進行しました。謎が謎を呼ぶ。
 難産9話、ここから動揺編開始です。また動揺編に含む予定だった内容を炎上編として独立させたためトウジンカグラは6部編成となりました。炎上編そのものは物語的には一晩~長くて三日の出来事のみのため最短になるはずです。なれ。
 9話はモブ×火群です。投稿サイトに掲げる隠れ蓑の属性通り人斬りビッチの血まみれ逆レです。人斬りビッチ、物騒受けの初心に返っています。でもそろそろ1話1すけべ縛りが展開上厳しい。
 動揺編から火群と氷雨で視点が半分ずつぐらいになっていきます。そして邂逅編でチラチラしていた三人目の、あるいは世界において真の主人公が食い込んできますがトウジンカグラは火群と氷雨の物語なので主人公ではないです。

 また今回の更新で背景画像が動揺編仕様に、ジンブツに飾が追加、Pixivでの表紙孝憲様Skebにてご依頼したイラストに差し替えとなっています。併せてリンク先と共にご覧いただけましたら幸いです。孝憲さんの火群と氷雨、一枚絵がメチャクチャ…かっこいい!!!!ので!!!!
 あまりに仕事環境が最悪で9話も内容的に心折れそうでもう自分との戦いやめようかな…と思ったんですが孝憲さんのイラストを掲げたトウジンカグラを世に出すまでは折れないと思って踏ん張りました。本当にありがとうございます…!!

 以下、その9話について。いつも通りよろしければ9話読了後にご覧下さい。
 

 9話は動揺編の1話にあたるため、初心に返った展開でした。気持ち1話2話をなぞっています。気持ちだけ。人斬りクソビッチが邂逅編で明確に人を斬ったのが2話の3人だけだったのでそんなことないよというか彼の日常というか。
 今回のモブ氏には明確な役割がありました。紅蓮という刀刃は何かという話を動揺編ではしていくかも知れない。そうでもないかも知れない。邂逅編から拾えていない泥面子バトルの行方とかも残っています。

 遅れてきたもう一人の主人公に動揺編からは半分ほど視点を渡しますが、彼は視点でありながらまだ吐露していないこと、自覚していないこと、蒼天にちくちくされるように偽っていることがあるので火群と同じく氷雨も不審の語り手です。
 商売女性とは恐ろしく縁がない男、氷雨。価値観が違いすぎる世界でキョロキョロキョドキョドしている。そして現れる陽キャ。急にいっぱい喋る男。会話の密度としては邂逅編全部混ぜたぐらいの話をしたかも知れない。そんなことはない。
 頭に鷹の羽を挿している、ただそれだけで呼ばれる偽名は某平安ロマネスク作品のオマージュです。忍んで事の解決に自ら当たる立場ある男。なおこの男、平時は孔雀の羽を挿したり花を挿したり昇天ペガサスMIX盛りをしたりしています。最後のは嘘です。
 楼主殿は当然5話の彼です。奇しくも波佩の初登場も5話だったのは蛇足。ということなので金魚共々既出です。金魚と硝子の匣。

 氷雨の目的は紅蓮を「砕く」ではなく「毀つ」と当初表記していましたが、決め台詞っぽそうなので一見して読み難そうなことばはやめました。氷雨の心境からすれば砕くで妥当かも知れない。

 過分にも今回9話の感想を頂戴したので、そちらにふにゃ…と触れたいと思います。

 波佩の耳飾り、会話が続くのに耐えきれず、地の文が一定量挟まらないと落ち着かず、やたらチャラッチャラ揺れていたあいつ。役割があるのにそこまで触れられませんでした。展開はいつも思い通りにならない。

 火群の行為がセルフネグレクト。この単語で言い表す頭は自分にはなかったのですが、火群の視点に卑下感がある、というお言葉を頂戴したことを思い出しました。彼は見ての通り自身の価値が未だ自身になく、自傷的に見えてその自覚もなければ別の目的もあって1話1すけべしています。ナチュラル煽りは自身の価値=自身ではない本質=紅蓮は何よりも誰よりも強いしババアより本当はエライはずだし紅蓮に敵うはずないのにあーあ的な気持ちと、そうすると相手が怒るのがわかっている=相手が怒るということは自分≓紅蓮の方が優位であるという確信を得られるからかも知れないし乱暴に扱われたい自暴自棄なのかも知れないし花が甘い香りで虫を誘うようにそうすれば結果として相手が早く精を出すと思ってるからかも知れない。このへんは全部かも知れないの話です。かも知れない運転。
 というぐらい彼の世界の物差しは紅蓮しかない。それは間違いない、今のところ。

 波佩を尺度にした火群と氷雨。波佩はデウスエクスマキナというかトリックスターというか、メタ的にそういう存在です。トウジンカグラの原型となった火群と氷雨と瑠璃と時雨の世界からリアル17年後、明確に必要があって役割を課された人です。刻も飾もそうですが、波佩は「火群と氷雨の物語でなければ、彼があの世界の主人公」という立ち位置。ゆえにブログ冒頭で主人公ではないと語っています。主人公ではない。
 脱線。ともかく彼はメタとしても作中存在としても、他より少しだけ高い視点にいます。なので彼も露悪的な物言いをしているところがありますが、客観した火群の評はだいたいそれ。
 一方、氷雨は最初から完全に火群個人にだけ注視しています。氷雨は火群に関して疑惑があって、それが真であれ偽であれ絶望がある。そのへんを知ってるので茶々を入れる神剣。火群が他からどう認識されているかは全て氷雨の中での正否判定の情報でしかないといえばそう。
 火群に関してはもう本能。彼は最初から誰に対しても他者評価が情報でしかない、何故なら難しいことはわからないし覚える気もないので。火群なりに、誰に対しても常に火群自身の目線で他者を解釈している。いっしょうけんめい。なお彼にはエライかそうでないかの相対でしか人間社会の上下認識がないので当主というフワッとした位置は知らねェで終わります。ただ彼を現在構築している、自我が紅蓮に依拠しているということ、その裏側に氷雨はいるので、理解も言語化もできないけど本能的に突き動かされるしかないんだなあ。知らんけど。
 氷雨の瞳の濃藍は愛とかかっているので、あの色が気になるとはそういうことです。知らんけど。

 知らんけど。

 ずっと地獄の現実に住んでいるので、次回の更新は2ヵ月を守れるか…守りたい…このペース…。

 恐らく本編より先に、つい先ほど入稿した掌編集についてサイトもしくはブログを更新するのではないかと思います。たくさんの方のご協力と優しさで今日も生きています、まことにありがとうございます!!