トウジンカグラ14話更新+覚書

R-18創作BL「トウジンカグラ」14話更新
ムーンライトノベルズ版:104話~/3,000字程度に分割・台詞で改行あり
Pixiv版:自分が一番慣れていて個人的に使い勝手と視認性がいいと思うだけ

 2ヵ月に1回更新どころか3ヵ月に1回更新すらできないどころか5ヵ月ほぼ半年かかってるけどそれでも辛うじて更新を止めていない自分は世界一えらい!!!!!!!!
 「年度の変わり目に法改正とかあって地獄地獄ウキウキ地獄♪」「1年前よりはマシなはずなのに」とか言ってましたが法改正というよりも単純に人員配置の問題で1年前より悪いどころか過去イチ地獄で4月末5月末は本気で仕事を辞める一歩手前適応障害に片足突っ込みもともと離れ気味だった旧Twitterはもちろんてがろぐも仕事の愚痴しか書かない社会と自分の差を見たくないで離れてました。

 前々から1話1エロ縛りがそろそろ辛いよ!と申し上げていましたが今回からいよいよエロはエロではないよ状態になってきました。一応物理的には刻×火群でフェラ/濁点喘ぎ、6話/14話刻ですが…

 今回は更新まで5ヵ月かかっていますが無論5ヵ月書き続けていたわけではなく、でも3ヵ月ぐらいは間を物凄く開いて中断しつつ書き上げたので前半の氷雨のターンはもう記憶が朧気になっています。
 以下そんな14話について。よろしければ読了後にどうぞ。

 相手の立場になる男、禁足地まで妹に会いに行く少年、己の揺らぐ男。離れた土地で蠢く者。
 ここまでが○話!と決めたところまで書ききらないと気が済まない病を煩っているので過去最高の文字数になってしまいましたがそんなに中身はない。実は信乃と小六太のシーンはなくていいし火群がテケテケ渡殿を進むシーンも要らないのだがそれは言わない約束です。

 引き続き氷雨とキッズ。
 火群に石を投げた母はただ子どもと生活を守るのに一生懸命なだけの母。貧しくても苦しくても恩人に対して自分たちにできる礼は尽くそうとする、善良であろうとする人たち。そんな人も何の疑問も悪意もなく、火群ではなく氷雨が助けてくれたと当たり前のように思っている。
 そんな善良な人たちに疑問と、ちいさな憤りとやるせなさを覚えても、決してぶつけられはしない男。優しさなのか逃げなのか。

 納得いかなくてもやりたいことがあっても親に従うのが子ども。都合良くケロリと切り替えられるのもまた子ども。清佐のことはかわいいに決まってるんだけどぐずったり我儘言ったりするのはうるさいなあと思っている三葉と小六太。子どもや兄弟ってたぶんそんなもの。
 おさむさまはぐずる子どもに敵わない。おさむさまあたまかたい。ちくちくとふわふわ。氷雨と火群の乗り心地の違いを知る子ども、清佐。火群の知らない一面を奇しくも知ることになる氷雨、二人の間を繋ぐ子どもたち。氷雨さん無垢な子どもを背負って思い出し生唾呑み下しはよくないですよ!

 田舎者氷雨の勘違い。外つ国の菓子などとは、そもそもあの胡散臭い苦手領主から渡されたものだとは夢にも思わない。七宝の子どもたちとなんだかんだ宮中水準の火群とフジの隠れ里住まいの氷雨では皆それぞれ認識がズレています。

 千種を語る三葉は最初もっと感傷的でしたがもういない、死んじゃった、会えない、でも御山にいるから傍にいるよねぐらいの感覚でそこまでじゃないなと思って書き直したけどでもまだちょっとしんみりし過ぎているかも知れない。古くからの七宝の民と、御山送りが当たり前になって以降の七宝の民と、七宝の外の人間とで死者に対する感覚はだいぶ違うだろうなあと思います。火群はもっと違う。
 三葉と同じ感覚と価値観だけど、初實の件でもしかしたら死ぬってすぐ傍にあっていきなり訪れるものなのかも知れない、と思い至ったのが小六太。子どもたちにとってはドキドキワクワクの怪しい男から貰った珍しい菓子を食べさせてやりたい思いも相俟った。
 そもそもきょうだい同然に育った隣に住む女の子の三葉と、グズグズできかん坊の清佐に対して小六太はオレが守ってやんなきゃ…がある。幼い千種を亡くして悲嘆に暮れる両親や、生活が密である以上同じく千種の死に悲しんでくれた三葉たちの両親を見ているのもあると思われる。もちろんもういない千種に対しても守れないけど守ってやんなきゃ、あんなにちいさかったんだからという兄心があるので、紙人形に話しかけたり御展霊に行ってみたりしている様子。

 信乃の話はトウジンカグラにおいてオマケ。かつて妹の千種を亡くした小六太に対して最近父を亡くした信乃。小六太は両親たちが主体的に田畑の仕事をしているから庇護される側でいられるけど、信乃は父が生きていた時分、学び舎にいたときから庇護されるだけの側ではいられなかった。父を亡くした今だと尚更、死者を悼んでも生活が滞るだけで先に進まないこと知っているので振り返ることに意味を見出せない。というのは悲しいだけの話ではなく、憧れに程近い今の仕事はやり甲斐もあるはず。本人の言ったとおり、もし仕事が落ち着いて父の死を振り返る余裕が出てきたら…今の彼女が生産的ではないと感じる考えも湧いてくるかも知れない。
 なお
>来てくれるはずの紙屋さんが来ないから、お店に伺ったの。お薬を包む紙を受け取って
は、11話で信乃ちゃん信乃ちゃんした挙句火群に吹っ飛ばされて引きずられて童貞を奪われた彼。心が折れて仕事に行っていない模様。つまり信乃ちゃんには関係があって関係ないんだけど、信乃ちゃんは振った自覚がないのかそれと仕事は関係ないと思っているのか…。

 14話を書くに当たって調べたもの、神道のお墓、鎮守の森の植物、京都の植生。これは異世界ファンタジーだから別にええんや、の心。門=鳥居、稲藁を綯った縄=注連縄、複雑に折られた紙=紙垂。異世界ファンタジーだから封印した言葉。別にもういいのでは?? 引っ込みがつかないファンタジー。
 石塔を管理する誰か、野花を供えるのは誰か。瑠璃の意向で董女の誰かがやっているのかも知れません。違うかも知れません。

 瑠璃が誰かに指示したり火群を召し上げると董女に伝わるけど、瑠璃が一人で移動する分には目視されない限り董女には把握できない。瑠璃一人ではできないことだと伝わる、瑠璃一人でもできることは瑠璃の勝手。
 瑠璃の頼みも今上帝ではなくただの瑠璃の頼み。いつも火群の面倒を見てくれている子どもに面倒が及ぶ前に、という善意。その子どもの行きたいところは察していて、そこに火群が行くのは良くないと思っていて、でももしも辿り着いてしまうのならそれは火群の選んだこと。初めは「行く末」を「運命」と称していましたが、ただの火群の結果を運命と呼ぶのは違うなあ。運命とは簡単で難しい言葉…。調べたらもう18年も前で腰ぬかしましたがアニメ精霊の守り人「運命には勝てない。でも、運命には負けない」ってキャッチコピーが未だに深く刻まれています。運命と名のついた計画に翻弄され運命という名の機体と共に生きる少年を永遠に宇宙一推してるけど難しいな運命って。

 前述の通り外つ国の菓子をありがたがる子ども、感じ入る氷雨、無感動にバリボリする火群。生活水準と価値観のちがい。
 足すごい速い火群。ふわふわと一緒にそれを思い知る小六太。エッあのお侍様これ追っかけたの? すごくね?
 今のところ血縁者の存在しない宙ぶらりんの火群に、今更兄弟姉妹の概念を教えてくれる小六太。そもそもそんなものを意識もしなければ知る必要もなかった火群が、死んだら死んだでそれまでという認識の火群が、ちょっとずつ気づきを得ていく。でもまだまだわからない。少しずつ他人が心を向けてくれることを薄々知っていくけれど、けれど~? からの~??

 日中の墓地の雰囲気。書いている人間はそんな日本昔話ほどではないしぼちぼち市街地にも見えるけれど、周囲を見渡せば必ずどこかに山が見える田舎に住んでいるので、果たしてそうじゃない土地に住んでいる人に伝わるかはわかりませんがその雰囲気。間違いなく昼なのに静かで、遠くに人の営みが見えるのに何も聞こえない、厳かでは決してないけれど、どこか非現実を感じるようなふわふわしてぼんやりした感じ。
 思えば七宝の民は自分たちの町がどんな形をしているか見る機会はほとんどない。初めてに興奮する小六太とぼんやりした感覚に囚われる火群のギャップ。

 火群にとっての日々の眠りと同じもの。文章の書き方を知らないので音の感じと勢いだけで作文をしている極み、このへんがたぶんライトノベル。何となく魂に刻まれたザスニ版され竜のアナピヤ解体を1ページぐらい書き連ねてるシーンを薄ら思い出しましたが別にそうじゃないかも。文庫ページメーカーに突っ込んだら1ページもなかったかも。でも勢い的には魂に刻まれた「亡魂咆哮」が滲んでる気もするかも。

 今回のスケベは明確にスケベではないシーンです。他人の肉を内側に突っ込んでいるだけ。
 火群の特技はいついかなる時でも褌を素早く脱げる・脱がすことですが、刻の特技はどんな時でも火群に対して勃起できることですね。どう考えても心情的には萎えるしかないところで火群を生かすために勃起させるので肉体を精神が上回ってるけどそれってただただ醜悪~自己嫌悪もするよお~かわいそ!
 それはそれとして他人が存在するから己が己として存在する、という概念が好き。

 伊角の国です! 虎八殿! 5話ぶりです虎八殿!
 奥方様と鉢合わせないように避ける家臣。名前を出そうかと思いましたが今出しても仕方がないので見送りました。トウジンカグラで一番己の思うところに忠実で他人と状況なんか知ったこっちゃないパワー系ウーマン。
 七郎の飛ばした鳩やっと辿り着いた。ヒノモト文化に馴染む外つ国の男、あちこちで先出しし過ぎていて本当はどんなキャラクターなのか置いてけぼり、何なら今でも不明の男・熊野の出陣ですよよ~かんさん。お約束を果たすときですよよ~かんさん!
 なお、いつも更新告知時とブログのトップ画像にする本文抜粋ハイライトから奇しくも選外になったやつ。
>そして鳩の話に鶴の一声とは熊野なりの冗談なのか……などと考えてはっとした
 ギャグの解説をするタイプの虎八殿。

 次の更新…年内にもう1回ぐらいは更新したいものです…(弱気)